介護業界でICT技術を活用することができれば、人手不足の解消につながります。入居型介護施設では、居室内にセンサーを取り付けることによって、スタッフが何度も確認しに行かなくても、利用者の状況をリアルタイムで知ることができるようになります。また、ベッドにセンサーをつけておけば、利用者が睡眠中なのかを知ることが可能ですし、心拍数や呼吸の異変を発見することにも役立ちます。したがって、ICT技術の活用すれば、少人数のスタッフでも問題なく利用者の安全を守ることが可能です。

また、ICT技術を用いれば、様々な業種の方と簡単にコミュニケーションがとれるようにもなります。訪問介護のときに、利用者が急に体調を崩した場合でも、すぐにタブレットのカメラで利用者の状態を撮影し、専門の医師に状況を説明することができるでしょう。

それから、理学療法士や作業療法士といったリハビリに関係する職種の人に、利用者の状況を伝えることができれば、リハビリのメニューを見直すきっかけになります。さらに、薬を服用している利用者に副作用が見られたときには、薬剤師にすぐに連絡をして対処することもできます。処置が早ければ早いほど、利用者の健康や生命を守ることができるので、様々な業種と連携を取りながら作業を進めることは、より良いサービスの提供にもつながるのです。

しかも、ICT技術を使いこなすことで、手作業だったこともデジタル化できるので、介護士一人ひとりの身体的負担もかなり軽くなるでしょう。