コンピューターやインターネット技術の総称として用いられる用語に「ICT」や「IT」があります。これらは、同じようなものとして用いられますが、通信技術の活用面に着目したのがICTで、情報技術そのものを指すのがITです。ただし、海外ではどちらの技術もICTと呼ばれており、その影響で国内でもICTという呼び方のほうが普及しているようです。
ICTは、普段何気なく使っているメールやSNS、ネット検索などで使われていますが、実は教育や医療、介護、防災などの分野でも活用が進んでいます。なお、平成21年度の整備事業では、全国の小中学校にパソコンや校内LANなどの設備や機器が導入されました。そして、それらを活用して、グラフや資料などを積極的に授業に用いることで、児童が関心を持って授業に取り組めるような工夫が行われています。また、将来に向けて、離れた場所の学校と交流を持ったり、不登校の生徒が家で学習したりする仕組みづくりも検討されています。
それから、医療や介護の分野においては、ICTを活用することによって、業務の効率化を図り、人手不足の解消や医療の技術の向上などが期待されているようです。実際、高齢者の状況を確認できるサービスが登場し、じわじわと全国的に普及しつつあります。部屋や水道などに設置したセンサーによって、高齢者の安否を離れた親族に伝えるというもので、得られた情報は医療や介護の関係者の間で共有されます。このように、ICTは高齢者の健康管理にも役立てられているのです。